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NINE SPICES presents「SPIKES TO YOU」に出演して

  藤村さんの心のなかが分かるわけはないが、汲み取るものは確かにあって、それが全くの見当違いなのかそれともツボは外していないくらいには言える程度に合致したものなのかをいちいち気にせずに、ただ心に応えたい思いがある。相手の期待に応えたい、それも自分なりの在り方で、という心理の働きにモティベートされている。「自分なり」であれば余計なコミュニケーションが乗っからず気楽に済むから、いまの自分に寄り添う。  コミュニケーションは気重だから一概に避けたいのだという風に読まれるかもしれないし、実際、全てのコミュニケーションにはそこそこの重さがあって、それに比例するように我が身を削るはめになるのを一概に感じてはいるが、僕はコミュニケーションを省きたいというようなことは言えない。むしろ重く考えたいような気があって、それを大切にしてくれる人の期待に応えたいのだ。高木さんや福島さんとの間にも、コミュニケーションを余計に重ねて汗をかかなければ気が済まないような期待に満ちた関係を見出しているし、それに救われているとしか言いようがない。家族以外にそういった関係を持つことができていることに、僕の生活は救われているのだと言いたい。  コミュニケーションには要るものと要らないものとがあって、明確に分けられるというようなことではない。合理化・一般化が「余計」なことであって、その逆を進みたい。  サポートの福島さんは、(これも本人にしか分からないことだけれど)いつもより気楽にやってくれたのではないかな。楽しんでくれていたら嬉しい。終演後、ドラムがかっこよかったという反響が複数あって、彼女にも届いていたと思う。  どうやら僕が1ヴァースを丸々すっ飛ばしたまま平然と終わらせた曲があったみたいで、2人を大変に焦らせてしまったようなんだけれど、今でも僕は僕だけが合っていたのではないかと疑っています。この疑いを検証する映像・録音がないため、僕たちはこのまま前に進んでいきます。別の曲では僕がヴァースのコードを1箇所だけ間違えてしまい、修正するのも癪なので2バース目でも同じコードを混ぜて弾いたのですが、それについては2人とも何も言ってこなかったので、押せば通りそうな人たちだなとも思っています。

【25年4/10更新】趣旨とご留意いただきたいこと(GG・dear student 定例企画)

  「子どものいるライブを楽しむことのできる人、家庭の事情に寄り添える人が集うようなライブ作り」を目指しています。 出演者もお客さんもなんとか子どもを連れて来られるといいと思っています。もちろん、大音量・人混み・子供用設備なしなので気軽に・快適にということはあり得ませんが、問題は取り除いていく方針です。 出演者の家庭等の都合によって直前でもキャンセル又は変更が気軽にできるといい、と思っています。 来客数・盛況は大切なことですが、どちらかというと、無理なく継続していくことに重きをおいています。 喫煙は会場建物外でお願いします。建物内に喫煙スペースがあっても、お控えください。  趣旨が醸す緩さをきらう方もあるかと思いますが、企画の趣旨にご理解をいただければ幸いです。

第10回の企画を終えて

 dear studentと2バンドきり、会場に3人の子供たち、自分達はアルバムのリリースを済ませている。この2年で妻と自分が中心となって積み重ねてきたことの果実が具体的なかたちで(それも想定の通りと言っていいようなかたちで)実り始めた光景なのではないかと、3年前の僕の家族がどのような状況にあり何を求めて始めたことだったのかについて、思いを馳せる瞬間がありました。最近は忘れていた。  とはいえ、想定していたより自分のバンドに関するあらゆることの進行は遅すぎるし、傍から見ればいつも同じ2バンドが同じスタジオを借りて似たようなセットのライブをしているというだけの光景であって、むしろ後退しているように見るひとがいても決しておかしいことではないのだろうとも思います。大事にしていることは人によって違いますから。  dear studentは、良い曲を詰め込んだセットで良い演奏をしていて、陳腐な言い方ではありますが、誰かに届くことを願っています。個人的には、彼女たちは相当な量の持ち曲を隠しているので、長めのセットを観てみたいとも感じました。  妻と自分が "中心" といったのは、メンバーや娘の理解が、時には訳を聞かずに黙って併走をしてくれるような "周囲" が、これは得難いものですが、そこにあったから始められたことだと、こんなことを書くのはどうなのかと思う一方で、曖昧なままにせず言葉に直していくことを自分にとっての大事なことにしたいような気もしています。  綺麗にまとめたいような書き方になってしまい、不本意です。

Music Bar Journey Pre. "PICKYCAFE" に出演して

 落ち着いたライブが出来ずに、難しさを感じる。同じ方向を見ませんか、というところまでは一致しているんだけど、具体的に何かを見ることにしなければ体の向きは変わらない、という感じがあります。  タオルを初めて観ました。事前にbandcampで聴いて、自分の最も好きなジャンルのバンドなのではないかと楽しみにしていたところ、演奏と歌はもちろん佇まいのかっこ良いスリーピースで素晴らしかった。あまり長く話せなかったのが心残り。自分たちの演奏で「通じるところのあることをやろうとしてます!」とは伝えられなかった感触があったので、せめて言葉でと思ったが、なかなかうまく話せず。CDを手に入れたので当分の事務所のBGMにしたいと思う。  Shipyardsはものすごく久しぶりで、哀愁が的な感想を言う相応しさが自分にないようで余計なことは言わないでおきたいのだけれど、あの感じがじんわりとずっと続くようなライブだった。自分もどっしりと構えて届けられたらいいな。新曲もキラキラしていて。  シノザワさんと少し話せたのもよかったな。

DubwifeGroup「SESSION#1」に出演して

 とても良いイベントでした。  前に観たときと違うというのが凄いことで、自分も何とかして変えていかなくてはならないなと考えさせられました。  Dubwifeの多田くんは、僕ら Goodbye Gangsters の最初期から好意的に声を掛けてくれたバンドマンのひとりで、その後に仲良くなった人は数多くいるけれども、本当の最初期から一方的に優しく接してくれる人は少なくて、そういうことを忘れることはありません。  彼は、"Flat 3" とか "Mellow 7" とか "Bullpen" のような(と言っても誰にも伝わりませんが)、僕らが初期にやっていた速くてごちゃごちゃした曲を特に気に入ってくれていて、そういった曲はもうセットにないのだけれど、僕らが何かをリリースする度にいつも具体的な反応をくれる、信頼のできる友人だと思っています。  HALFMUSTのイセさんも同じで、厳密に言えば最初期からという訳ではない(baricanで横浜GALAXYに出たときに出会っているはず)のですが、初期から今に至るまで背中を押し続けてくれた先輩の一人です。  こういった方々の存在が僕の制作の糧となっている、というか、背中を押されることがなければ自分自身も制作物も外に出さないタイプなので、感謝しています。  そういうメンツのライブだったんだと振り返っているところです。  さて、今回のライブからサポートドラムを大学時代からの友人である福島さんに頼んでいます。今回だけということもないがいつまで頼むことになるのかも分からない、曲が増えるかも、自主企画を打つかも、そんなことはないのかも。そういった曖昧さを残したままの依頼に対して快諾をしてくれ、かつ彼女らしい自然な振る舞いで溶け込んでやってくれたことに心から感謝しています。  学生時代から彼女のドラムは魅力的で、それは今も変わりません。演奏後は楽しかったですと笑顔で言ってくれながらも演奏に課題が残ることを挙げる真面目さで取り組んでくれていて、楽しいと言ってくれることで救われるところがあるのは確かですが、それを鵜呑みにして無茶な振る舞いをしてはいけないな、とも思います。個人的な体験として、他のバンドのサポートでベースを弾くことを何度かしたことがありますが、楽しいかどうかは別とした大変さがあ...

第9回の企画を終えて

  第6回ぶりのバリカンでした。彼らとの関係性は他のバンドと比べて群を抜いて深いので、あらたまってどうのこうのは言う気にならないし、どうせまたすぐに一緒にやるので、書き残しておきたいこともほとんど思いつきません。  自ら客に問いかけた追加の曲のリクエストの数々を、嬉しがりながらも丁重にすべて断った中島さんを見ていて、バリカンをやれている現状を楽しんでいるのが分かるし、その思いが(バンドの持ち曲リストから)溢れ出しているのだなと、そう読み取って感動していました。  僕が打ち上げに参加した時点では(ライブ後は企画の荷物を持ち帰ったり娘を寝かせたりするために妻とともにいつも一旦場を離れます)、すでに中島さんとべんぞーさんだけになっていて、昔の感じで楽しく一杯やりました。なんとなく、この二人とはいつ会ってもこんな感じで話せるなという気がしています。  べんぞーさんが先に帰ってからは、残る二人で最低な話を誇張して延々話し、ゲラゲラ笑い切ってからの解散です。また、来年。

NINE SPICES 17th ANNIVERSARY - SPIKES TO YOU - に出演して

  BATHがとにかくよかった。金物の鳴りだったり弦高だったりVUメーターの色味だったり、立ち居振る舞いと曲もそうなんだけど、何気ないあちこちに緻密なこだわりがあると思う。ベラベラと話し過ぎるように書くことは避けますが、どう考えても大体でやってはいない音が全員から出ていたし、そこをそうするのがかっこいいという価値観のラインが自分に近いように思い込んで、最高な気分で観ていました。  この場に自分達を組み込んでくれた藤村さんに感謝しています。