NINE SPICES presents「SPIKES TO YOU」に出演して
藤村さんの心のなかが分かるわけはないが、汲み取るものは確かにあって、それが全くの見当違いなのかそれともツボは外していないくらいには言える程度に合致したものなのかをいちいち気にせずに、ただ心に応えたい思いがある。相手の期待に応えたい、それも自分なりの在り方で、という心理の働きにモティベートされている。「自分なり」であれば余計なコミュニケーションが乗っからず気楽に済むから、いまの自分に寄り添う。 コミュニケーションは気重だから一概に避けたいのだという風に読まれるかもしれないし、実際、全てのコミュニケーションにはそこそこの重さがあって、それに比例するように我が身を削るはめになるのを一概に感じてはいるが、僕はコミュニケーションを省きたいというようなことは言えない。むしろ重く考えたいような気があって、それを大切にしてくれる人の期待に応えたいのだ。高木さんや福島さんとの間にも、コミュニケーションを余計に重ねて汗をかかなければ気が済まないような期待に満ちた関係を見出しているし、それに救われているとしか言いようがない。家族以外にそういった関係を持つことができていることに、僕の生活は救われているのだと言いたい。 コミュニケーションには要るものと要らないものとがあって、明確に分けられるというようなことではない。合理化・一般化が「余計」なことであって、その逆を進みたい。 サポートの福島さんは、(これも本人にしか分からないことだけれど)いつもより気楽にやってくれたのではないかな。楽しんでくれていたら嬉しい。終演後、ドラムがかっこよかったという反響が複数あって、彼女にも届いていたと思う。 どうやら僕が1ヴァースを丸々すっ飛ばしたまま平然と終わらせた曲があったみたいで、2人を大変に焦らせてしまったようなんだけれど、今でも僕は僕だけが合っていたのではないかと疑っています。この疑いを検証する映像・録音がないため、僕たちはこのまま前に進んでいきます。別の曲では僕がヴァースのコードを1箇所だけ間違えてしまい、修正するのも癪なので2バース目でも同じコードを混ぜて弾いたのですが、それについては2人とも何も言ってこなかったので、押せば通りそうな人たちだなとも思っています。