第6回の企画を終えて

  調べてみると、baricanと共演するのはどうやら2015年8月以来のことで、2015年のそれはbaricanが企画してくれた僕らのEPのリリース・パーティーでした。
 EPについて言いたいことは山ほどありますが、しまっておきたいような気もしています。自分は、十代後半から今に至るまで、バンドをやるにあたっては人に恵まれていたようにはどうしても思いきれないところがある。こういった言い方では、今のメンバーだとかの尊厳を傷つけるようなことがあるのかもしれませんが、水辺にそびえる築60年オンボロ商業ビルの地階のように、この漏水を止めたらその脇から水が漏れはじめるしそこを止めたら今度は反対側から……といった具合に、僕のバンドは幾度となく壊れかけては立て直す修繕作業を続けることに労を取ってばかりいて肝心の制作・ライブは滞っているのが常。今のメンバーに対しても、2人とも少なくとも今日までに共に過ごした時間を思うにとびきりに笑えて信頼のおける友達(先輩だろというのは置いといて)だと言い切れる反面、そういうことについて僕は半信半疑でいるから、ずいぶん回りくどい活動を今も続けています。それはネガティヴな源泉ではなく、回りくどいということは良いことであって、揺るがないでいることに対する自負が湧く根拠でもある。

 baricanのみんなとは、そういった内々で考えるようなことを共有、というか共感・共鳴できるような関係で、baricanと一緒にどのくらい音楽ができているのかがかっこいい音楽をやる上での矜持・ベンチマークになっている、というとちょっと言い過ぎな気もするけど、それに近いことを胸を張って言いたいような思いがあります。
 ライブ自体を振り返るものではありませんが、またやっと前に進み始めたんだなと思えた日でした。baricanにとっても多分そうだしね! そうだといいなと思います。

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